ダンパー開発に最も重要なのは、フリクションが少なく剛性が高く、精度が高い素性の良いダンパーを用いることです。
もともとフリクションが発生しているようなダンパーを開発しても当然良い結果は出ませんから。
オレンジウルフのオリジナルサスペンションは元々フリクションが少なく最適なモデルでした。
そのため開発もスムーズに進めることができました。
ところが市販品でフリクションの問題にまで行き届いた製品は実はあるようであまりないんです。
また市販品モデルでは減衰の波形を基本的にクルマのジオメトリーに合わせているだけの製品がほとんどです。
ところが僕は、あくまでも一般の方が色々な条件で使用する事、様々なドライビングをすることを考えた上で誰もが乗りやすい仕上がりになるように減衰力波形を決めていきます。
市販品状態でもドライバーがプロフェッショナルの場合には乗りこなしてしまうのですが、一般の方が乗った時に曲がらない、不安定などの現象になりがちだからです。
さらにストリートでの快適性も考えますと凸凹を通過する時に強い衝撃を受ける場合、減衰力が弱い事とバンプラバーのセッティングが出来ていないことが殆どですので、車とタイヤの剛性に合わせた減衰特性に出来るかがポイントになります。
タイヤは縦にストロークする、ダンパーもストロークする。
この時バラバラのストロークでは違和感のある乗り心地になりますので、そこをうまくセッティングしました。
しかし全ての路面から伝わる衝撃をなくすことは不可能ですし、タイヤもいろんなタイヤを履くことも想定していますので、減衰40段調整で合わせることが出来る様に全域で調整できるダンパーの減衰特性に致しました。
また減衰力を高めていくお話について、逆になぜ乗り心地が悪くならないのですか?
という質問に対し、このような回答を頂きました。
「基本的にスプリングは動き出せばずっと動いてますから、これにより段差での衝撃は多く感じません。
ところが、このスプリングの動きを抑制しているのはダンパーです。
もしこのダンパーがスプリングの揺れを抑える働きをしている中、極端な話ダンパーが止まるような動き(フリクション)をしたら、そこには大きな衝撃が発生します。
そのため減衰が強い=乗り心地が悪化するのではなく、あくまでもフリクションの問題なんです。」
との明確なお答えを頂きました。
皆様何かのご参考にして頂ければです。
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