銭が無いのは……. 昔の格言です。
それを親父はこう言いました。
銭が無いのは鼻が無いより悪い!と!
どういう意味かと申しますと昔は梅毒で鼻が無い人がいたそうです。
しかし銭さえ持ってれば人様は頭を下げる。
片やいくら綺麗な顔してても銭が無ければ「帰っとくれ!」とこうなると言うんです。
私が子供の頃からこんな事ばかり言ってました。
子供心に本当に恐ろしい話でした。
親父は8人も兄弟がいて定職を持たないじいさんのせいで、えらく貧乏し食い物はいつも奪い合いだったわけです。
そんな親父は子供の時、学校へ行く前に早起きして石屋の石堀りしてたそうです。
家計を助けてたのか小使い稼ぎだったかは今では分りませんが。
極度の貧乏生活の中、おじいは8人の自分の子供に言ったんです。
「銭が無いのは、鼻が無いより悪い」その間違った格言を親父は、私にも伝えたんです。
一番悪いのはじじいです。
自分のこと棚に上げてますから。
ばあさんもすごい人でした。
「勤めに行って人様の財産こしらえてどうすんだ! 」っていつも言ってました。
手前の財産作れと常に言ってました。
当然ですが私には、たくさんの従兄弟がいます。
きっと同じ教育を受けてるはずなんですが商売してるのは私だけです。
一番強烈にその影響を受けたのが私なわけです。
他の従兄弟は、みんなのんびりしてますから。
そんな私も高校を卒業しても定職に就けませんでした
。勤めてもすぐに飽きちゃうんです。
いくつも職業を変えました。
このままじゃいけないと親父に専門学校に行きたいと話ますと「バカヤロー働け!」とこうきました。
高校もろくに勉強しなかった奴が又学校だと!とろいことをこくな!(遠州弁です)
なんちゅう親だ!とふてくされてました。
しかしそんな私を工場に呼びました。
いったい何を言い出すかと思いましたら競艇の出走表を見せるんです。
これ見てみろ!「すげ~一着ばっかじゃん」その選手は今も活躍する私と同い年の今村豊選手でした。
「いいか賞金裏に書いてあるから計算してみろ!」すげ~わずか数日で何百万円だ!
いいか世の中は銭の奪い合いだ!力のある奴が殆ど持っていく。
取るか取られるかだ!力の無い者は残った物を分け合うだけだ。
「どうせならドカンと取ってみろ!」子供の頃からの教育(脅迫と私の潜在していたハングリー精神に火が付き、よし選手になってやる!と決めました。
しかしなれませんでした。今も競艇見てると燃えます。でもめったに賭けませんのでギャンブラーでは有りません。
そう モータースポーツ観戦です。
でも今は車屋で良かったと本心から思ってます。
私に勝負師は無理です。
もし万に一つ大きなレースで優勝したら絶対に休みたいと考えます。
ずっと勝ちつずけるなんて無理ですし、そんな強い精神力持ってません。
母親はずっと同じ事言ってました。あんたは無理。とまさに見抜いてました。
本来負けず嫌いの私ですが適度に働いて余暇も楽しみたい。
好きな車に乗る時間も欲しい。
そして何より車が好きな人と時間を共有したい!まさに車屋になって良かったんです。
少しは親父の教訓も生かせてますし。
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