突然のトラブルにてご連絡頂きましてお越し頂きました。
BMW F10 523のお車ですが入庫時の症状は?
メーター及びアイドライブモニターにチェックランプ点灯。
DSC、ABS異常、エアバック、安全装置異常などでしたが何とか走行は可能でした。
走行時ではスピードメーターが動かない、
パワステが異常でステアリングが重い。
ワイパーが突然作動し止められない。
ブレーキランプが点灯し無いなどでして、これでは公道を安全に走行出来ません。
BMW専用テスターにて診断&エラーチェックをします。
DSCユニットが認識できずDSCユニットからの信号が無く通信できない状況。
エラーコードが約110個ほどで消去しても消えない、
バッテリーの交換履歴が無くバッテリ単体でのテストも余り良い状態ではない。
上記の状態から実際の修理作業を進めます。
まずは最近のお車では最も重要なバッテリーを交換しテスターで交換した事を、ユニットに登録をします。
バッテリーが正常な状況で再度テスター診断し、エラー削除を行うと約80個ほどのエラーとなりましたが、まだどのエラーが重大なエラーか判断が出来ない状況です。
次は通信できないDSCユニットの電源(+)とアースを配線図より把握しチェックします。
DSCユニットには47本の配線が入力されています。
電源(+)は3系統、アースは2系統、セントラルエレクトロニクス(ヒューズボックス)からの電源線1系統に電源(+)が来ていません、
ヒューズを確認しましたが切れていました。
そして電源(+)が生きていません。
内部破損があります。
ヒューズボックスは一体式の構造なので分解が不可能ですからヒューズボックス本体を交換しました。
ヒューズボックス交換後、電源(+)側は正常になりましたが配線に何らかの短絡があります。
しかしDSCユニットまでの配線事態には短絡が無い事が確認できました。
では何故ヒューズが切れる?
ヒューズボックス後部の配線を確認しましたら他のユニットへの電源供給が確認できましたので他のユニットが何なのか、配線図で確認し短絡箇所を探っていきます。
すると運転席ドアフラップエレクトロニクス(ドアノブ)の回路での短絡が確認できましたので短絡場所を削除しヒューズボックスの電源(+)を確認すると正常となりましたのでDSCユニットを接続しテスター診断します。
結果、DSCユニットがテスターで認識でき接続が確認出来ましたがエラーが2個存在しました。
テスターでテストプランを実行し不具合を確認します。
走行テストを行い各センサーから信号を確認しテストプランを進めていきます。
するとパルスセンサーからの信号も正常になりスピードメーターが表示されるようになりメーターのチェックランプも消えました。
そこで再度テスター診断を行いエラーを消去しましたら全て消えました。
そして元通りの正常な状況となりました。
今回の多くのエラー発生は運転席側のドアフラップ エレクトロニクスでした。
ドア取っ手の作動センサーの破損によりヒューズボックスのヒューズ及びボックスの内部回路を故障させた事が要因でした。
要はDSCユニットへの電源供給を遮断された事によりDSCユニットが機能せず、他のユニットとの交信が出来無くなり多くのエラーを引き起こしたと推測できます。
お車には多くのヒューズが存在しますが、まさにヒューズがあったからこそ高額なDSCユニットを壊さずにすみました。
そして今現在の状況です。
ドアハンドルの配線を外し、お車は正常に走れていますので、ひとまず納車させて頂く事となりました。
何故ならドアハンドル自体の塗装は国内でやってはいけない為、ボディカラーを指定し本国オーダーとなったからです。
ハンドルを塗装する際にセンサーに支障が起きてはいけない為、本国での塗装となるそうです。
今回もまさに厄介なトラブルとなってしまいましたが、そこはボッシュの力も絶大でした。
まさに大量の資料を送って頂き本当に助かりました。
BMW専用テスター&ボッシュ サポートセンサー&メカニックの執念の賜物でした。