一言で言えば 時代に合っている時代を見据えている彼の視点です。
それは何かと言いますと、常に現代のユーザーの目線でものを考えることであり、現代の嗜好に合わせていかなければ何の意味もないといった物作り車弄りへの見方でした。
「それは今までありがちな、ある特定の技術を持った人への突飛な製品作り。タイムを重視するあまり日常を犠牲にするような車弄り。スポーツカーはこうでなくてはいけないといったメーカーやショップサイドの考え方。チューニングすることによる弊害への妥協を強いること。お金をかけた割に実感できない製品又は余計に使い難くなるような製品販売などなどの現実」を指摘され、こちらも聞いていて耳が痛くなることも度々ありましたが木下選手曰くそれではあまりにユーザーに対し申し訳ないし、車が嫌いになってしまったらそれが一番辛いと言い切りました。
そうです。彼の考えは一に快適二に快適なんです。同乗者からも喜ばれるようなパーツ開発こそが今の時代に一番合ってるといった考えなんです。ところがここで面白いのですが、快適性を合わせ持つと人は安心します。安心するがゆえに車の操作が正確且つ的確になります。ですから当然車の動きが手に取るように掴めるようになり、それがおのずとタイムに繋がるといったことなんです!木下選手はレーサーでありながらタイムのことはほとんど口にしませんし拘りません。安心して走れる車さえ手にすれば、タイムなんて誰でもいとも簡単に出ちゃいますから!とケラケラと笑って言います。
実は私自身、車を操ることも難しいですが、車を仕上げることは並み大抵のことではないと、この18年間考えて参りましたし、自我自流で暗中模索して参りました。時に経験豊富な方ともお会いし、数々の教えを頂戴しましたが、どうにも自分には合いませんでした。やはり自分でやるしかないのかと諦めつつある中、本当に偶然に私が求める理想の車作りを、既に、していらっしゃる本物に出会え、ここしかないぞとの思いでお願いいたしました。もうすぐ私も50歳!24歳からこの業界に足を突っ込み30歳にて独立開業。そして18年の歳月、ここまできて自分の車屋家業の集大成作りに是非とも関わっていただきたい人!それが木下みつひろ選手なんです!